ごまにはセサミノールに変化する物質が豊富です

動脈硬化について見ると、血液中に悪玉(LDL)コレステロールがふえることではなく、その悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されて、動脈硬化の要因になることが問題です。活性酸素の害をから身を守ることが動脈硬化をはじめ生活習慣病を予防することになるのです。
例えば、体内で発生した活性酸素を消してくれる抗酸化物質を摂ることも方法のひとつです。

よく知られているのはごま

ごまにはセサミノールという抗酸化物質がたくさん含まれているとされますが、正確には、ごまそのものにはセサミノールそのものが含まれているのではありません。
ごまに多く含まれているのは、セサミノールに糖がついたセサミノール配糖体です。
しかも、セサミノール配糖体には抗酸化作用はなく、体内に入って腸内細菌の作用でセサミノールへと変化して、体内に吸収されます。

生体内でつくられたセサミノールが、悪玉コレステロールの酸化を抑制し、また、動脈硬化の進行を防ぐことが分かっています。
さらに、ごまには抗酸化ビタミンのビタミンEも豊富です。

ごまには抗酸化酵素をつくるのに必要なセレンも豊富に含まれています

活性酸素の害を防ぐには、活性酸素への体内防御機能を高めることが重要ですが、セレンにはその力があります。

生体の細胞内では数種類の抗酸化酵素が活性酸素を無毒化してくれますが、その中の、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素を生成するのに不可欠なのがセレンです。
人間の細胞膜には不飽和脂肪酸が多く、活性酸素の影響によって不飽和脂肪酸は有害な過酸化脂質に変わります。セレンは、過酸化脂質を除去する抗酸化酵素に必要な物質なのです。

中国で行われた実験では、セレンとビタミンなどを毎日投与したことで、活性酸素が原因のガンの死亡率が15%も低下したという報告があります。

ただし、ごまはそのまま食べても体内で消化されません。

栄養分をしっかり摂るには、すり鉢すりごまにするなど、つぶしてから食べたり、ねりごまにします。

表皮に色素があるのが黒ごまです。

ごまには黒ごまと白ごまがあります。その違いは表皮に黒い色素があるかないかだけです。
植物の野生の黒や赤などの種子は、過酷な自然環境にも耐えられる強さを備えています。
黒ごま、白ごま、通常飼料を使ったマウス実験によっても、ごまの黒い色素に抗酸化作用があることがわかっています。

黒ごまの皮の黒い色素にも高い抗酸化能力がありますが、ごまの主成分は脂質とタンパク質で、約50%は脂質です。大量に食べると油脂を摂りすぎるため、食物繊維やさまざまなビタミンを含む野菜類と合わせて毎日5~10gを摂るのが理想です。