活性酸素が増えすぎると、体に悪い影響を与えていることはよく知られていますが、活性酸素への攻撃手段として、抗酸化物質での対抗する方法があります。
抗酸化物質は体内で合成されないものがあるため、積極的に抗酸化食品を摂ることを推奨します。

抗酸化物質を含む食品

ここでは抗酸化物質を含む食品のいくつかを紹介します。

赤ピーマン

カプサンチンという色素を持つ赤ピーマン。この色素はカロチノイドという種類に分類されますが、大手食品研究所が行った実験により、カプサンチンの抗酸化作用はβカロチンよりも強いことが分かりました。赤い食べ物と言えば赤唐辛子。赤唐辛子にもカプサンチンが含まれています。

ごま

セサミノールと呼ばれる成分がごまにはたくさん含まれています。このセサミノールには強力な抗酸化作用があると言われていますが、ごまそのものにセサミノールが含まれているわけではありません。ごまにはセサミノールに糖がついたセサミノール配糖体という物質が多く含まれており、これが体内の腸内細菌の作用でセサミノールへと変化します。料理でもごまをすりつぶして食べることが推奨されるのは、このような体内に有益な成分を素早く取り込めるからです。
体の細胞内では数種類の抗酸化酵素が活性酸素を無毒化するために働いていますが、そのうちのひとつ、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素を生成するためには、セレンが必要となります。ごまにはセレン(必須栄養素)も多く含まれており、 黒ごまの黒い色素にも高い抗酸化力があります。

ブロッコリー

ブロッコリーは植物の中でも特に活性酸素を除去する効果の高い野菜と言われています。
濃く、鮮やかな緑色の部分の成分はβカロチン。βカロチンは主に緑黄色野菜に含まれる成分で、活性酸素を抱え込む作用を持っています。
ビタミンCも抗酸化作用があるといわれますが、ブロッコリーにはレモンの1.5倍のビタミンCを含んでいます。

大豆

大豆に含まれるイソフラボンも抗酸化物質が含まれています。
イソフラボンの摂取で更年期障害や酸化ストレス度の低下が確認された研究結果もあります。

玉ねぎ

緑色が鮮やかな野菜の方が栄養価など、体への貢献度が高いように思われますが、淡色野菜にも活性酸素を除去する力があります。
玉ねぎにはケルセチンという抗酸化物質が豊富に含まれ、ケルセチンは活性酸素を抑えることが分かっています。

いちご

アントシアニンとビタミンCが豊富ないちご。これらはどちらも抗酸化物質が含まれています。
アントシアニンはいちごの赤い色素の部分に含まれているため、色の濃い赤いいちごの方が抗酸化物質が豊富といえます。
そういう意味では、ブルーベリーも効果が期待できますね。
ビタミンCはレモンより多いので、レモンの酸っぱさが苦手な人はいちごを食べるようにしましょう。
ヘタを取ってから洗うと、いちごのビタミンCが流れ出てしまうので、ヘタがついたまま洗うことをおすすめします。

食事も大切ですが…

これらの野菜や果物だけを集中的に食べるのではなく、お肉や他の野菜、魚などをバランスよく摂ることで、これらの力が活かされます。好き嫌いをしてはいけません!は、食物の力を最大に活かすための大切な教えでもあるのですね。

ただし!ストレスを感じているとこれらの食べ物の効果も期待できません。
仕事で疲れている、家事に追われているなどでストレスを感じていると、活性酸素の発生が活発になってしまい、食事もしっかりと吸収されないため、せっかくの抗酸化物質が活躍できません。
深呼吸や音楽を聴く、体を横にして休むなど、心身の安定と食事を整えて、病気から体を守りましょう。