危険な過酸化脂質の元凶は活性酸素
食生活に欠かせない植物油。ところが植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸は酸化しやすく、古い油を使う時は注意が必要です。
異臭がする植物油であれば分かりやすいですが、表面的には購入した時と変わらないように見える油でも、酸化が進んでいることがあります。
酸化は活性酸素が働くことにより起こります。体内に入った活性酸素が不飽和脂肪酸を酸化させ、悪玉の「過酸化脂質」に変えてしまうのです。
また、不飽和脂肪酸の多い植物油は、長期間空気にふれていると酸化が進み、過酸化脂質が増えるため、古くなった植物油を体内に入れることは避けた方がよいでしょう。
過酸化脂質は連鎖反応的に、次々と物質を酸化させてしまう性質があり、動脈硬化を促進するだけでなくガンや肝炎などのさまざまな病気の元凶になっています。
つまり、活性酸素は私たちの体をサビつかせてしまうのです。
酸化を出来るだけ抑えるには、活性酸素に対抗して不飽和脂肪酸が体内で酸化することを防がなければなりません。
ごまに含まれるセサミノールで生活習慣病を予防
ごま油にはセサミノールという抗酸化物質が含まれています。
そのため、ごま油は植物油でありながら酸化しにくい性質があり、しかも、体内で活性酸素による過酸化脂質の発生を防いでくれるため、活性酸素から私たちの体を守ってくれます。
さらにごま油には、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸をたっぷりと含んでいます。
オレイン酸には、動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールだけを下げて、善玉(HDL)コレステロールをほとんど下げないことが分かっています。
ごま油には、酸化による過酸化脂質の発生を抑え、コレステロール値を下げる成分まで含まれているので、日々の食生活に積極的にとり入れたいものですね。
ただし、よいごま油は高価なので、毎日使うのは経済的なダメージも大きいです。
負担を減らす方法として、いつもの植物油にごま油を混ぜて使っても、ごま油の効果は十分に期待できます。
外食好きな方も油は気にしてください。
とんカツや天ぷらなどの揚げ物、油を多く使う炒め物からムッとするようないやなにおいがしている場合は油が過酸化脂質に変わっている証拠です。