エジプト
古代エジプトを舞台にした映画やドラマでは、登場人物の強く濃い化粧が印象的ですね。実際に、紀元前2920年には古代エジプトではタールや水銀で作られた化粧品が発達していたと言われています。紀元前1930年には香料も取引されていました。
エジプトと言えばツタンカーメンが有名ですが、そのお墓から軟膏状の香化粧品などを使っていたのではと推測されています。
クレオパトラもアイメイクをしていました。アイメイクは魔除けのためと言われる太く黒いアイラインの他、マラカイトのアイシャドウは日差しや虫、感染症から目を守る役割もあったとされています。
中国
745年ごろ、楊貴妃は爪をヘナ(指甲花)で染めていました。日本でネイルが取り入れられたのが江戸時代ですので、中国では1000年も早く爪を綺麗にする文化があったのですね。
フランス
1688年、フランス国王ルイ14世がマルセイユ石鹸の製造に厳しい基準を設けました。例えば、フランスのマルセイユ地方で製造すること、暑さによる品質低下を防ぐため夏の製造を禁止、原料のオリーブの収穫は果実が熟れる時期のもののみ使用、などです。
そして原料油脂はオリーブオイル以外の使用を禁止、すなわちオリーブオイル100%でないと、マルセイユ石鹸を名乗ることが許されませんでした。
1870年、ゲラン社がミツロウなどを固めた、現在のリップスティックの原型を作りました。
イタリア・スペイン
16世紀から17世紀にはイタリアやスペインなどで香水が流行しました。世界中で肌の色を白く見せる化粧が流行していましたが、中世ヨーロッパでは肌の白さを引き立てるツケぼくろを施す人もいました。
アメリカ
1859年、石油採掘機に付着するワックスに軟膏の作用があると分かり、それを精製したVaselineが誕生しました。1870年にはヴァセリンオリジナル ピュアスキンジェリーの原型となる商品が発売されました。ヴァセリンは現在でも人気商品ですね。
ドイツ
1905年にチャーチル・ネッスラーがホウ砂と高熱によって髪にウェーブをつける「ネッスルウェーブ」を発明しました。これがパーマのはじまりとされています。1920年代にはアメリカでも流行しました。
日本
平安時代までは、大陸文化、とりわけ唐の国の影響を受けて、紅や白粉、朱、香料などを使用していましたが、平安時代の貴族の間で日本独自の化粧が流行りました。顔を白く強調する白粉、眉を剃って額の上に別の眉を描き、歯を黒く染めるお歯黒(鉄漿:かね)を施しました。平安時代の後期には一般社会にも広がりましたが、明治時代に入ると、海外の人から奇異に見られたため、国を挙げてお歯黒が禁止されました。
現在は西洋文化も浸透し、ファッション最先端と言われる流行は瞬く間に広がるようになりましたが、日本のこの独特な化粧は、現在の日本人でも受け入れがたい不思議な習慣ですね。