抗老化研究の進展に期待される成分NMN
世界の美容業界がエイジングケア成分として注目しているNMNをご存知でしょうか?
NMNはビタミンB3群の中に含まれる「βニコチンアミドモノヌクレオチド」のことで、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)」の原料となる成分です。NAD+の量が加齢とともに減少していくことが老化に繋がるとされており、研究ではNMNは細胞内のNAD+の産生を促進することで長寿遺伝子群(サーチュイン遺伝子)、ミトコンドリアの活性に繋がることが確認されました。
NMNは体内で自然に生成され、生物の細胞に存在している物質ですが、加齢により体内での生産能力が減退し体内の修復機能が失われていくとされています。加齢に伴い減少してしまうNMNを外部から摂取することによって、生体エネルギーの供給源をサポートできるとして、世界の研究機関でさまざまな実験が行われています。NMNを角質側に添加すると細胞内のNMN量が約100倍に増加したとの報告もあります。
これらの実験結果により、表皮や皮下のNMNとNADを増加させサーチュインを活性化できれば、天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)の産生を促して皮膚の老化の予防につながることが期待されています。
NMNによる皮膚への影響
長寿遺伝子群「サーチュイン」は老化を制御する因子とされ、細胞内のNAD量によってサーチュインの活性が制御されていることが確認されました。
サーチュインの活性が表皮に与える影響についての実験も行われています。NAD生合成の前駆体であるNMNを角層側に添加すると、細胞内のNMN量が約100倍に増加し、NAD量も約4倍に増加したことから、NMNが吸収されてNADに代謝されることが確認されました。また、NMNの添加によりカスパーゼ14の発現が誘導されました。カスパーゼ14は皮膚保湿に関与する酵素で、フィラグリンの分解と天然保湿因子(NMF)の合成に関与すること、さらに、加齢に伴って発現が減少することが報告されています。
これらの結果から、表皮のサーチュインを活性化することによって天然保湿因子(NMF)の生産が促進され、皮膚の老化が予防できる可能性が期待されています。
NMNサプリメント
NMNはアボカドやトマトなど、さまざまな農作物にも含まれていますが、老化の予防につながるほどの量を摂取することが難しいと言われています。
そこで、NMNを配合したサプリメントが開発されています。科学的根拠に基づいた次世代エイジングケアサプリメントとして注目されていますが、美容に限定されず、生き生きとした老後を過ごすための健康補助食品としても販売されています。