唇の表面は皮膚のつくりとは違い、皮脂腺が無く皮脂膜や角層が大変薄いため、水分蒸発速度が速く保水力も少ない特徴があります。
角質の水分量が少ないため、顔表面のスキンケア以上に、唇のモイスチャーバランス (水分、保湿剤、油分) をコントロールする工夫が必要です。

口紅やリップの質感

口紅やリップグロスも他の化粧品と同様に固形や液状などの剤型、テクスチャーなど、配合されている顔料と油性成分の量に加え、粘度とのバランスで性質が変わります。口紅には約9割程度、油性成分が使われており、粘度の高い油性成分を多くすればこってりとした質感になり、粘土を少なくすればみずみずしい印象に仕上がります。
口紅やリップは、ロ唇に無刺激、無害であることはもちろん、使用中に折れないこと、保管時に変形、軟化しないことなどが品質の条件となります。

発汗・発粉(はっぷん)とは?

液体 (液状の油脂) が表面に出てくる 「発汗」、表面が白く粉 (油脂などの結晶)
がふいたように見える状態が 「発粉」と呼ばれます。極端な温度変化により起こり、長期間放置して古くなることで発生しやすくなります。
短時間に発汗・発粉が起こらないことも、口紅の品質には重要な条件です。

口紅の仕上がり

マット

顔料が多めに配合されています。揮発する油性成分を配合し、皮膜剤と顔料を唇にぴったりと密着させます。やや乾きやすい傾向があります。

ツヤ

顔料が少なめに配合されています。油性成分が多いため、ツヤツヤとした質感になります。パール顔料を加えると、さらに光によるツヤ感を出すことができます。

食べたり飲んだりしても落ちないティントリップ

唇の内側からにじみ出るような自然な発色が魅力的なティントリップ。唇のpHと水分量の影響で発色し、食べたり飲んだりしても色落ちしないのが特徴です。リキッド、ジェル、スティックなどさまざまな形があり、発色が長時間持続することで人気があります。

ぽってり・ふわっとした唇になる成分を覚えておきましょう

縦じわを改善

パルミトイルトリペプチド-1
線維芽細胞を活性化させ、唇の縦じわを目立たなくして、ふっくらハリのある唇に見せます。

原料そのものが膨らむ

ヒアルロン酸Na
特殊技術でナノ化しフリーズドライにしたものや、 カプセル化したヒアルロン酸が水分をたっぷり吸収して成分そのものが膨らみ、ぷっくり唇に見えます。

血行を促進をさせる

カプサイシン(トウガラシ果実エキス)
新陳代謝を上げて血行をよくすることで唇を健康的に見せます。

口紅はカラーで選ぶ人が多いですが、こういった成分を覚えておくと、季節やファッションに合わせて唇の印象も演出できますね。