美白成分とは?
日本で美白成分として記載して良い成分は20種類以上あり、認可を受けた成分だけが
「メラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ」
ことを記載しても構わないことになっています。
ただし、美白有効成分ごとにしみやそばかすを抑える仕組みが違うため、成分の働きを理解して目的のコスメを購入することで、より適した美白対策が可能となります。
美白化粧品の選び方
コスメを選ぶポイントは「自分の肌の状態に合っているか」ですが、成分、処方、テクスチャー等を丁寧に見ていきます。
自分が乾燥肌なら保湿効果もある美白化粧品を、敏感肌の方なら刺激が少ない成分を含んだもの、ニキビが多い方ならニキビケアもできる美白化粧品等、自分の肌を客観的に見て肌の状態をカバーできる美白化粧品を選びます。毎日コツコツ使い続けることで、明るく透明感のある肌になっていきます。
また、白く、整ったキメ細かな美肌になるには、美白有効成分を知って、自分に足りないものを補います。成分によって働きが違うため、誤った作用のものを選んでも、肌は改善できません。美白有効成分の特徴や働きを知っておくと、その他のコスメを選ぶ時にも役立つ知識となります。
美白有効成分の役割を知る
メラニンの排出を促しターンオーバーを整える
肌(皮膚)は、表皮、真皮、皮下組織が重なってできています。肌の細胞が一定の周期で生まれ変わることを「ターンオーバー」といい、肌の一番外側にある「表皮」で起こります。ターンオーバーを整え、メラニンの排出をサポートする美白有効成分があります。メラニンはターンオーバーによって肌の表面へと押し上げられて剥がれ落ちますが、紫外線や加齢、生活環境、ストレス等が原因でターンオーバーが遅れることがあります。そうなると、メラニンの排出にメラニンの生成が追いつき、肌にメラニンが蓄積されてしまいます。
美白有効成分の中には、このターンオーバーによるメラニンの排出を促すものがあります。
メラニンの生成を妨げる
肌にメラニンが沈着すると、シミやソバカスになります。肌のターンオーバーで自然に排出されるメラニンが、紫外線のダメージやターンオーバーの乱れが原因で、肌に蓄積し、沈着してシミやソバカスになります。メラニンの生成を防ぐ美白有効成分は、メラニンを生成するメラノサイトの活性化を抑えたり、メラニンに関するチロシナーゼの働きを抑えます。チロシナーゼへの作用は美白有効成分によって異なります。
メラニンを還元してシミやソバカスを薄くする
メラニンの還元を促すと、シミやソバカスを薄くなります。シミができた場合は、このメラニンの還元を促す美白有効成分を含む美白化粧品を選びます。劇的にシミが薄くなることはありませんが、使い続けることでしみの改善を実感できます。シミやそばかすができていなくても、還元作用のある美白有効成分を使っていると、刺激や紫外線を受けることでメラニンが生成されるのを予防したり、緩和する効果が期待できます。
代表的な美白成分
ビタミンC誘導体
ビタミンCは配合すると壊れやすく、吸収性や安定性に欠きます。そこでビタミンCを他の物質と結合させて肌に浸透させることで肌の内部に入りやすくなり、酵素で分解されてビタミンCとして働きます。メラニンの還元を促し、色を薄くする働きをします。
アルブチン
チロシナーゼの働きを阻害して、チロシンとチロシナーゼとの結合を防ぎ、メラニンの生成を抑えます。アルブミンはコケモモやウワウルシの葉などの植物に含まれています。
カモミラET
メラノサイトの活性化及び増殖を抑えて、メラニンの生成を抑えます。カモミラを原料としています。
プラセンタエキス
動物(哺乳類)の胎盤から抽出され、アミノ酸、ミネラル、タンパク質、各種ビタミンなど豊富な栄養素を含みます。チロシナーゼの働きを阻害してメラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを防ぎます。
コウジ酸
醤油や日本酒などを製造する過程で発生する麹(こうじ)に含まれるコウジ菌が生成します。メラニン生成に関わるチロシナーゼの働きに必要な銅を奪って働きを阻害します。
リノール酸S
紅花油などに含まれるリノール酸を改良した成分です。チロシナーゼを分解してメラニンの生成を抑えます。さらに、肌のターンオーバーを促してメラニンの排出を助けます。
エラグ酸
肌への刺激が少なく抗酸化作用があり、チロシナーゼの働きを阻害してメラニンの生成を抑えます。ベリー類(苺など)やクコの果物や野菜に含まれます。
リノール酸
ベニバナ油やコーン油から作られます。チロシナーゼの分解を促進し、チロシナーゼの数を減らしてメラニンの生成を抑えます。
ルシノール
シベリアモミの木に含まれる成分から開発されました。メラニンは、チロシンとチロシナーゼが結びつくことで発生しますが、ルシノールはこの合成を阻害し、メラニンの生成を抑えてシミの発生を防ぎます。
ニコチン酸アミド
ナイアシンと呼ばれるビタミンの一種です。メラニンが表皮の細胞に渡されるのを抑制し、メラニンが過剰に肌の表面に現れるのを防ぎます。
トラネキサム酸
肝斑の治療薬にも配合されています。美白有効成分ですが、抗炎症薬や止血剤として使われていたこともある成分です。メラノサイトにメラニンを作るよう命令するプラスミン(情報伝達物質)の働きを阻害して、メラニンの生成を抑えます。抗炎症作用もある理、ニキビケアにも使用されています。
カミツレエキス
カモミールのカミツレから抽出した成分で、ハーブティーやアロマオイルでよく知られています。メラノサイトにメラニンを作るように命令するエンドセリン(情報伝達物質)の働きを阻害してメラニンの生成を抑えます。
4MSK
4-メトキシサリチル酸カリウム塩の略称で、シミのある部位で起きている角化の仕組みに働きかけてメラニンの排出をサポートします。
マグノリグナン
チロシナーゼが成熟するのを阻害してメラニンの生成を抑えます。
エナジーシグナルAMP
アンデノシン-リン酸ニナトリウムOTとも呼ばれます。ターンオーバーを促してメラニンの排出を助けます。